【イベント・レポート】カメラと写真のイベント「CP+2012」

パシフィコ横浜で開催された国内最大のカメラと写真の総合イベント「CP+(シーピープラス)」。

当日の会場の様子のレポートを送ります。

2009年までは複数の団体で主催されたPhoto Imaging EXPO (PIE)として東京ビッグサイトで開催されていたイベントが、CIPA単独の主催による「CP+」として、日本の写真文化の発祥ともいえる横浜に会場を移し2010年から開催されている。

例年、このイベントを機に、新製品の発表をするメーカーも多いが、昨今のミラーレス・カメラを中心に今年もいくつもの製品が発表された。

■タムロン

レンズ・メーカーとして、高倍率で小型の製品に定評のあるタムロン。

毎年、ポートレート写真で有名な魚住誠一氏と、そのポートレートモデルのタレントの方のトークショーを中心に開催されている。今年は魚住氏のみならず、2009年の写真新世紀グランプリのクロダミサト氏との対決イベント。雑誌フォトテクニックデジタルで連載されているポートレート対決の番外編といえる。

モデルは毎年おなじみの石井寛子さんに加えて、最終日は雑誌フォトテクニックデジタルとのコラボで実現した吉木りささんも登場した。

クロダ氏の作品では、 吉木さんと女子目線の会話で意気がぴったりの二人に対して、魚住氏も自身の吉木さんとの何度も撮影している和やかな関係をベースに竹下通りをゲリラ的に撮った写真を紹介した。

ポートレート対決にも登場したモデルの石井寛子さんは、CP+のタムロンブースで写真家デビューを飾り、今年も作品の紹介や、タムロンレンズのプレゼンターを勤めるなど大活躍である。

フルサイズ、APS-C用のレンズに加えて、ミラーレスのソニーのNEXシリーズ用の交換レンズ(B011)も紹介し、石井さんのステージでもプレゼンテーションをし、その誰にでも使い勝手の良さをアピールした。

■キヤノン

ニコンと並ぶデジタルカメラ界の巨人キヤノン。

コンパクト・デジタルカメラの「IXY(イクシ)」では、イメージキャラクターの吉高由里子さんが「IXY 420F」を紹介するトークショーが開かれた。

自身の写真も紹介され、仕事の合間に共演者を何気なく撮影することもあり、お返しの撮影もされることがあるそうだ。

ピンクのボディーがお気に入りの吉高さんは、最後に「ずっと残すなら、IXY」のキャッチフレーズを残してくれた。

他にも待望のフルサイズの最上位モデル「EOS-1D X」や、会場を見渡せる高い位置に設置された望遠レンズ体験コーナーなどに多くの来場者が集まっていた。

 

■オリンパス

オリンパスは、かつてハーフサイズのレンズ交換式カメラとして一世を風靡したPENをマイクロ一眼として登場させ、ミラーレスの市場を切り開いてきた。

PENシリーズは、そのスタイリッシュなデザインと、イメージキャラクターの宮崎あおいさんの印象から、どちらかというと、女子カメのマーケットにマッチした製品ラインナップといえる。

一方、本格的なデジタル一眼レフカメラ「E-シリーズ」のユーザーも満足できる機能を備えたマイクロ一眼の登場が待たれていた。そして、かつての「OM」シリーズを、デジタルカメラとしてよみがえらせた「OM-D」を新たに発表した。

 

アクセサリーも女性でも利用できるおしゃれなもの用意しているとともに、レンズキャップについては、デコレーションを施した個性を重視した作品例を提案していて、コンパニオンや一部講師もからフルなレンズキャップをPENに装着していた。なお、オリンパスは社名ロゴも入っていないフラットなデコレーション製作に適したレンズキャップを純正で販売している。

■パナソニック

パナソニックは、新製品のLUMIX G1Xシリーズを中心に展示やステージを行っていた。交換式レンズでありながら、電動ズームを備えたレンズはパンケーキレンズ並みのコンパクトさでズームを実現している。


■カシオ

ユニークな機能を率先的に搭載してくるカシオは、新機種の体験撮影コーナーや、機能の実演など体感型コーナーが充実しているとともに、いろいろな加工を楽しめる写真のWeb共有サービス「IMAGING SQUARE」の体験コーナーも実施いていた。

■EIZO(ナナオ)

モニタで有名なEIZOブースでは、カラーマッチングツール「EasyPIX」と他社のプリンターを連携させて、モニターのイメージどおりの最適な色調整をする方法を案内していた。

また、プロカメラマンによる動画配信「楽しんだモン勝ち!」のトークショーが土曜日には行われた。

■企画「高校写真部による東日本大震災復興応援プロジェクト作品展」

CP+では、関東の高校生の写真展を応援する企画を行っており、そのひとつが、昨年の東日本大震災の被災地において、撮影した作品を展示するコーナーを設けていた。

■BORG

2012年は、5月12日に金環日食が日本の広い地域で観測できる。天体望遠鏡のBORGでは、カメラに取り付ける望遠鏡を多数展示していた。

 

 

【取材後記】CP+は、昨年より1時間開催時間を短くしたにもかかわらず、入場者数は増加に転じたそうです。女子カメ・ブームなどとも言われる昨今、よりカメラを自身のライフスタイルと組み合わせる女性たちの姿も多く、講座や、展示物なども女性を意識したものが非常に目立ちました。

東日本大震災を契機に、日常のありふれた光景がいつでも撮れる保証されたものでないと気がついた人たちが、目の前の「時と空間」を残す手段として、写真として残すことを選んでいるというと大げさでしょうか。

来年も横浜で開催されることが発表された「CP+」で、どのような進化が、製品技術だけでなく、カルチャーとしてのカメラに発見できるかを楽しみにしたいです。

Reported By T.S.

本件に関するお問い合わせは、インターアーツ mail@interarts.info まで

 

 

 

 

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